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小4~高3のご家庭へのお話をしています。

相手の身になる練習

今週の1分間レッスンのプリントの裏側に1冊の本を紹介しています。
夏期特訓までに「最低1冊の本を手に取る」ということもおもて面で伝えているので、その例としてとりあげています。

本のタイトルは「相手の身になる練習」です。
10代に向けて2021年4月1日に創刊された小学館の新書の新シリーズ「小学館YouthBooks」の中の1冊です。著者は鎌田實(かまた みのる)さんです。医師で、都立西高出身で、東京医科歯科大学医学部を卒業しています。

裏面のプリントの最後に記載した言葉を紹介します。
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国語が得意で読解力や文章力がある人は他者視点を持っています。他者視点とは、相手の目線で考える力、相手の気持ちを理解する力で、入試でもよく取り上げられる視点です。この他者視点は子供の頃に国語の読み取り、記述でとても役に立ちますが、もっと役に立つのは大人になってからです。相手のことを考え行動する力は必ず将来、子供たちを助けてくれる力になります。そして、他者視点で考えることが世界、社会を変えることにつながります。
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他者視点は入試問題では好まれていて、題材としてよく扱われます。

月に1回の頻度で競合他社の方々と個人的に情報交換をしています。5月末の会合でこの本のことを紹介したところ、全員の方が知っていました。話し合いの結論は、来春の中学受験や高校受験のどこかでこの本が必ず出るということでした。作問の先生方がこの本に着目しないはずがないということで意見が一致しました。

 

もうひとつこの本を紹介した理由があります。


わざわざ書籍の表紙をつけ、今回はわざわざカラー印刷をして配布しています。
帯イラストは藍にいなさんです。
美術に興味のある生徒が今年は多くなっているのですが、そういう意味でも注目すべき点のある本です。YOASOBIの第1弾楽曲である、【夜に駆ける】の「絵師」として映像・アニメーションを手掛けているのが藍にいなさんです。漫画家、アニメーション作家として活動していますが、現在、東京藝術大学のデザイン科に通っている大学生です。
ぜひ刺激を受けてほしいと思います。

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最後に「相手の身になる練習」の目次を紹介します。
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序 章 生きづらい時代だからこそ必要な力
第1章 僕をつくった、根柢にある力
第2章 新しい世界への扉は目の前の相手のなかに
第3章 社会を回しているもうひとつの仕組み
第4章 完璧な人はいないから支えあえる
第5章 相手の身になる練習を始めよう
さいごに
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この本を買うかどうかは別にして、夏がはじまるまでに何か1冊は手に取ってほしいと思います。新聞を読むでもよいですが、勉強を目的とするのではなく、純粋に学ぶ、考え方を手に入れるという意識で、好きな本を手に取ってほしいと思います。
嫌々、読みたくない本を手に取るのは逆効果ですので、本人が読みたいと思う本をぜひ購入してあげていただきたいと思います。決して、本選びに保護者の方が口だしだけはしないでほしいと思います。どんな本を手に取ったとしても、面白そうだねとだけ伝えてください。

マイナスではなく、すべてプラスの言葉にして子供を応援して欲しいと願っています。