familab(ファミラボ)18時更新 日月お休み

小4~高3のご家庭へのお話をしています。お問い合わせはkokonikosugiyama@jsea.jpへ

日常生活の中で学ぶ

教室では授業の最初に私が毎週テーマを決めて学び方に関係する話をしています。
今週は、「日常生活の中で学ぶ」というタイトルでプリントを作成しています。

表面には下記の入試問題を取り上げました。

 

次の文の(   )に当てはまる語句を漢字5文字で答えなさい。

1時間に50mmを超えるような激しい雨が数時間以上続くのは積乱雲が同じ場所で次々と発生し同じ方向に移動してゆく場合が多いですが、このような場所を(   )と呼ぶことが近年、新聞やテレビなどで多くなってきました。

 

答えは「線状降水帯」です。
開成中学の2021年の理科で出題された問題です。先週からの気象に関するニュースに目を向けていたら、簡単な問題でした。


なぜこれを取り上げたかというと、「日常生活の中で学ぶ」という意識を持たせたいからです。開成中学は最難関中学ですが、取り上げた問題は日常生活の中で学ぶという意識を持っている小学生には極めて簡単な問題でした。

ここ数年、大学入試、高校入試、中学入試で気象に関する問題が増えています。問題を作成する先生方こそ日常生活の中で学ぶということを実践されています。気象の問題はごく普通に出題したくなるものです。さらに学習指導要領の改訂で小学校の理科や社会では自然災害を扱うということが明記されたのも影響しています。
線状降水帯は、2020年の早稲田大学でも出題されています。プリントの裏面ではこれも紹介しています。

開智中学でも気象で面白い問題が出題されています。地図上に4つの避難所があり、大雨が降って全員避難の警戒レベル4が発令された場合、どの避難所に行くべきかという問題です。入試という緊張感のある場で、冷静に分析して答えを導き出せるかの判断力が問われています。さらに、警戒レベル5になって避難できなくなった場合、自宅のどこにいるのがよいのかを出題しています。

学校や教室でのテストでこういったた問題を出された場合、子供たちの動きは完全に二分されます。
一生懸命に与えられた情報から考える子供。
やったことがないからできないと決めつけ、時間が過ぎるのを待つ子供。

家での勉強で机の前に座ってすることが勉強だという意識はなくさないといけません。
日常生活の中で出会ったキーワードや知らなかった出来事についてぜひ家庭の中で話題にするという姿勢を持つように家族全員で取り組んでください。考え、調べ、話題にするというのが当たり前にしてください。
雨によって水害が起きると野菜の価格が高騰するなど日常生活にも影響がでます。様々な問題を作るネタが日常生活にはあふれています。日常生活の中で何事にも関心を持たせるきっかけは保護者の皆さんにかかっています。ぼ~と過ごしている子供に来て欲しいと考えている学校はないということは事実です。
身の回りのことに目を向けて欲しいというメッセージが問題という形となって大学受験、高校受験、中学受験であらわれています。日常生活の過ごし方は合否の分かれ目と言ってもよいのです。