今日は東京都の方々へのお話が中心になります。
(1)都立高校普通科の男女別募集は廃止へ
昨日、9月24日に東京都教育委員会は、都立高校で続けてきていた普通科の男女別募集を廃止に向けて段階的に進めることを決定しました。この日の小池知事の定例記者会見でもこのことを質問された小池知事は「受験生・進路指導に与える影響もある。スピード感を持って検討を進めてほしい」と語っていますので、根回しもできていて知事のゴーサインが出ているため男女別募集の廃止の流れが決まったということになります。
廃止に向けた第1段階として、2022年春実施の入試で、これまでは一部の高校に限定されてきた男女の合格ラインの差を是正する「緩和策」をすべての普通科高校(109校)に拡大することになりました。
緩和策は、定員の9割までは男女別に合否判定し、最後の1割は男女合同で合否を決める仕組みです。例えば、男女各100人の計200人の定員であれば、男女別に90人ずつ合否を決め、最後の20人は男女合同の順位で決める形です。
これまでは校長からの希望などに基づき、一部の高校で実施していました。2021年春の入試では42校だけでしたが、すべての普通科に広げることになりました。
廃止に向けた第2段階は、男女合同の合否判定を定員の2割まで拡大。
第3段階として男女別定員の完全廃止になります。
時期については今後検討ですが、小池知事の発言や教育委員会の現在の顔ぶれからみると、速やかに進むものと思います。
廃止される場合、女子の成績上位層のみが恩恵があります。既に都内の私立の女子校の上位校は高校募集を中止し、中高一貫校になっているためです。
いろいろな課題が今後出てきますが、都立高に女子が流れ、男子の進学の受け皿が不足するおそれが出てくると思われます。
今まで、同じ高校でも男子生徒より女子生徒の方が合格ラインが高くなり、女子に不利な状況が生まれていたのが是正されますが、一方で、内申は女子のほうが高い傾向が続いているという事実も踏まえて、内申の入試での取り扱いも含めた現在の入試制度にも見直しが入ることが望ましいと思います。
受験生としての対策は内申、得点力をあげ、志望校の選択をデータに基づいて十分に吟味していくことにつきると思います。
(2)都立高校入試でスピーキングテスト導入へ
今の中2生から都立入試で英語のスピーキングテストを実施することも昨日、確認されました。20点満点でスピーキングテストは11月実施です。
学力検査(700点満点)+内申点(300点満点)+スピーキング(20点満点)になります。
スピーキングテストは、英語で質問に答えたり自分の意見を述べたりする問題が出題されますが、ちょうど今日、中3向けに試行テストを実施している中学に通う生徒もいますので、状況を確認したいと思っています。
今日は東京都の高校入試に関する状況をお伝えしました。