高校受験で受験先を選ぶ際に気にして欲しいことのひとつとして、進路指導や進路実績があります。中学受験をする場合は、大学受験のことを真っ先に考えた結果として受験を選択することが多いように思います。
高校生はどうしても環境に左右されます。周りに高い進学意欲の仲間や環境があれば自然と自分も目指そうとそうなります。だから進学指導、進学実績はとても重要です。
受験生のご家庭では、必ず進路指導と進路実績は確認をしてから志望校を決めて下さい。
高校に入ったらできるだけ早く、大学進学あるいはプロの道への進路を考え、結論を出すということが大切ですが、高校に入ったら、自分の高校の進学実績は一旦忘れて欲しいと思います。
気をつけて欲しいのは、大学進学実績は他人の子供の実績だということです。
進学実績のない大学に合格者を出したということは毎年、あちこちの高校で起きることです。本人が目標を決め、本気で取り組み、努力を重ねることではじめての合格実績をその高校にもたらすことができます。本気が必要なのは言うまでもありません。
中高一貫校や高校では進学実績を発表していますが、その発表の仕方には大きな違いがあります。確認する際に注意して欲しいのは、公表している大学実績が「合格者数」なのか「進学者数」なのかです。
例えばある大学に20人合格の場合、ひとりで複数の学部に合格している場合も多いので実際は7人ぐらいで20人の合格実績を出しているということはよくあります。さらに7人のうちこの大学に進学したのは1人だけというのはよくあることです。つまり学年上位何%に入らないといけないかはよく確認する必要があります。
勝負は入学してからの取り組み方、志次第です。
先週の土曜日まで約4ヶ月間、教室の一角に日本大学新聞を貼り出していました。じっと見つめる子供には偏りがありましたが、土曜日に都立高校の男女別募集廃止の新聞記事に変更しましたので、もう日本大学新聞の掲示はしていませんがご紹介します。
日本大学新聞の「21年度入試 高校別合格ランキング」です。
合格者の多い順に高校名を並べたランキング表のところを貼り出していました。
このランキングの素晴らしいところは、志願者数も明記されていることです。
1位から5位までを書き出します。
1位 神奈川 私立桐蔭学園 志願者954名 合格者265名
2位 千葉 県立幕張総合 志願者551名 合格者206名
3位 茨城 私立江戸川学園取手 志願者401名 合格者170名
4位 埼玉 私立川越東 志願者342名 合格者158名
5位 千葉 県立船橋東 志願者322名 合格者157名
4位に埼玉の高校が入っていますが、東京の高校だと13位にはじめて登場します。
13位 東京 私立城北 志願者285名 合格者132名
1位の神奈川の私立桐蔭学園は一学年の人数が多いマンモス校ですので、志願者数がとても多いのですが、よく見ると、合格数÷志願数でどのくらいの割合で合格するのかがわかるというのに気づくと思います。
1位 神奈川 私立桐蔭学園 志願者954名 合格者265名 合格率27%
2位 千葉 県立幕張総合 志願者551名 合格者206名 合格率37%
3位 茨城 私立江戸川学園取手 志願者401名 合格者170名 合格率42%
4位 埼玉 私立川越東 志願者342名 合格者158名 合格率46%
5位 千葉 県立船橋東 志願者322名 合格者157名 合格率48%
・・・
13位 東京 私立城北 志願者285名 合格者132名 合格率46%
なお、桐蔭学園の名誉のために解説をしておくと、日本大学に出願はしたけれど、他大学に合格したので実際には受験していないというかなりの人数も志願者数に含まれているというのは理解して下さい。ですので、合格率というのは言葉としてはよくないかもしれませんが、ほかに思い浮かぶ言葉がなかったので、ご了承ください。
日本大学新聞をじっと眺めていると実は不合格者数の第1位も桐蔭学園だということもわかります。
数字はいろいろな角度から見つめ、考えないといけません。分析結果だけを聞いておしまいにせずに、自分で考えるという姿勢が大事だということは子供たちにも伝えたいと思いますが、高校に合格して安心してはいけないということがもっと大事です。全ては18歳の時に自分で自分をほめることができるように高校時代をすごせるようにスタートできたかということが大事です。
さて、別の神奈川の高校を最後に取り上げます。
教室で通っていたり、志望先の高校だと話しずらいので、教室からは絶対に進学する子供がいない神奈川の私立森村学園の進学実績を見て下さい。
森村学園
https://www.morimura.ac.jp/jsh/future/result/
きちんと合格者数と進学者数を公表しています。
まじめで丁寧に情報公開をしている学校です。
運営主体によっては、公開を禁止されている場合もありますので、公開している高校がよい、悪いというわけではないことはご承知おきください。
結論です。18歳の時のことを考えて、志望校を考えて下さい。