先週の10月6日、水曜日の朝刊はどこも一面で真鍋淑郎(まなべ しゅくろう)さんがノーベル賞を受賞したことを掲載していました。
このニュースについてご家庭の中で親子でどんな会話をされたでしょうか。もし何も会話がなかった場合、小中高校生のご家庭としては非常にまずいかもしれないという気持ちになってほしいと思います。特に受験生のご家庭は入試に出るかもしれない大きなニュースですので、一度も家庭の中で話題になっていない場合はちょっと困るというのが正直なところです。
塾は成績があがるきっかけはたくさん提供しようとしますが、塾に行っただけでは必ず伸びるとは言えません。毎日の行動が変わらなければいけません。本人の学ぶことの気持ちのエネルルギーはご家庭での何気ない会話の中から生まれます。日々の生活の中で刺激を与えられかどうかが、学力にも大きな影響につながります。
米国プリンストン大学の上級研究員、真鍋淑郎さんは90歳でノーベル物理学賞を受賞しました。地球の気候をコンピューターで再現する方法を開発し、気候変動、温暖化の予測に関する研究を先駆的に切り開いたことなどが高く評価されました。
気象のような複雑な自然現象を物理学の方程式を使ってコンピューターで再現する基礎を築き、いまや世界中の科学者が、その手法で地球温暖化の予測計算をしています。気象学の分野、つまり地球科学分野でのノーベル物理学賞の受賞は初めてで、優れた研究を行えば、地球科学分野でもノーベル物理学賞に値するということが示されました。
この受賞はある意味、勇気と希望を研究者に与えたと言えます。
なぜアメリカに渡る必要があったのか、どうしてアメリカ国籍を取ったのか、真鍋さんの生き方は様々な気づきと学びを子供たちには与えてくれる出来事があります。今回のノーベル物理学賞受賞の内容を学校や教室で知識として教え込むのではなく、ぜひご家庭で会話の中から学ぶきっかけを用意してほしいと思います。それが生きた学力につながります。