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小4~高3のご家庭へのお話をしています。

入試問題との相性

今週から直前期モードに本格的に入ります。入試問題と向き合うことも増えていきます。受験校の市販の過去問は必ず購入をお願いします。

入試問題からは様々なことかが見えてきます。
公立高校の共通問題や大学受験の共通テストは広くあまねくを対象として問題作成をしていますが、受験校が独自に問題を作っている場合(=独自問題を出題する受験校)は、入試問題にこんな子供たちに入学して欲しいという作問意図が必ず入っています。
もし、独自問題のケースで、面白い問題だなと思えたら、とても幸せです。そういう問題を作る先生方の指導をこれから受けられるからです。
学校説明会では様々な話を先生方から聞くことができますが、魅力的な先生方のお話と指導方針があるからこそ、こういう問題を出題するのかというのに気がつけたら、本当に幸せです。逆に学校説明会ではステキな話がいっぱいだったのに、単純な知識を問う問題ばかりが入試で出題されていたら、少し学校の姿勢を疑ってもよいかもしれません。
特に先進的な学校では、
学ぶ姿勢
主体的な思考、論理性
表現力
を確かめようとする傾向があります。
基礎基本ができていれば、入学後に私たちが伸ばしてみせますという心意気の学校であれば、基礎力を見ようとする入試問題になっていることもあります。
単なる知識を求めていない場合は、知識をどう自分のものに転換しているかという知識の質を見ようとする入試問題になっていたり、面倒がらずに書きながらていねいに考えることができる生徒が欲しいという場合はそういう入試問題を出してきています。

2021年2月1日の私立麻布中学の入試問題をここで見てみましょう。
社会科の記述の問題です。
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現代は共食が行われにくい社会になっていますが、多くの小学校では給食という共食が行われています。君は、学校給食にかかわる問題点にはどのようなものがあると考えますか。また、給食をどのように改善すれば、より意味のある共食となるのでしょうか。
君が考える問題点とその改善策を80字以上120字以内で書きなさい。
(2021年 麻布中)
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麻布中では社会科の最終問題は、毎年、記述問題です。生活に関わる身近な事柄への問題意識を求めていますが、この問題の結果が合否を決める問題になっていると言ってよいと思います。
私立中学のほとんどは給食がありません。お弁当を持参したり、購入したり、学食を利用したりというのが多くなります。給食に別れを告げる小6生にふさわしい問題だと言えますが、いかに日常生活で考えるということをしているかも見ています。教室ではレッスンの最後に毎回書くアンケートの最後に変な質問を出していますが、実はこの日常生活で考えるということができているかということも見させて頂いています。受験生に限って言えば、現時点でものすごく差が出ています。いい加減に書いていたり、あまりにも幼すぎる考えしか書けない場合、受験に立ち向かう結果に直結してしまうため、最終的に受験校の変更も相談することがあります。
日常生活でいかに考えているか。
これは結果的に学力、成績と直結しています。成績がよくて日常生活で考えていないという子供はいません。逆に日常生活で考えるという姿勢ができている場合は、今の時期に得点力が不足していても、合格につなげられることができます。
ご家庭での言葉のキャッチボールでは「考える」という視点でのやりとりをぜひお願いします。