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やればできるわけではありません

私にはふたりの子供がいます。受験ではとても苦労しました。親子だと冷静な対応ができなくなり、どうしても感情的になるという傾向があるためだと今ならふり返ることができるのですが、当時は自分の子供だから感情の思うがままに接していたと思います。かわいそうなことをしました。
ふりかえると「やればできる」ということを口癖のように言った頃がありました。
今だから断言できますが、この「やればできる」という言葉は残酷な言葉です。どうしてかと言うと、やってもできなかったら自分はできない人間だということを自分で嫌というほど思い知ることになるからです。不合格だった場合、やっていなかったからだめだったということにもなります。
保護者の皆さんにお願いしたいことは「やればできる」という考えを持たないようにしてほしいということです。特に成績が思わしくない場合に「やればできる」という言葉を散々言われてきた子供の場合、前向きさとか、自主性が乏しくなることがあります。表面的には勉強している様子を示していますが、実際には勉強に対する密度というか集中度合いが低いということが起きることもあります。勉強をしている演技をしていて、ごまかしていると言ってもよいです。なぜこういう状態になるかというと、「やってもできない」と本人が思うようになってきているからです。勉強しても無理だし、やらないといろいろ言われるので、やっているふりをしながら、勉強時間を過ごしているということになります。
子供を思って、元気づけよう、やる気を出すように言っている「やればできる」という言葉が原因でできない子供にしてしまっているということになっているのです。


教室ではほめるという行動がコーチの大事な仕事になっています。iPadを手にしながら、生徒別のカルテに今日ほめたことを記入するようになっているのもそのためです。「やればできる」という気持ちは本人の中から芽生えなければ意味がありません。できていない状態の時に人から言われるのは害しかありません。「やればできる」という言葉は劇薬だということを心に留めておいて下さい。