中学生はとても難しい年代です。
先週は「小学生の子供と接する時に大事なこと」というタイトルで2回書き起こしていますので、今日は「中学生の子供と接する時に大事なこと」という視点でお話します。
私の子供たちふたりは既に大学を卒業していますが、ふたりが中学生だった頃を思い出してみると、親としては失敗の連続でした。一番の失敗は親子の関係が変化していくのが中学生の頃なのに、それを私がきちんと自分事として受け止めていなかったというのがあります。あとになってはっきりと自分の至らなさがわかりました。
子供が中学生になると、距離感、コミュニケーションの取り方は変わらなければいけませんが、親のいわば所有物としてしか子供を見ていないのが私でした。本来は新しい親子関係を作っていかねばいけない時期でした。
子供が中学生になると「今日は学校で何を習ってきた?」「今日は学校でどんなことがあったの?」といったことを聞いても、だんだんときちんとした答えは返ってこないことが増えてくるものです。
やがて、うるさいなぁ、面倒だなぁ、ウザい・・・といった感情が中学生の子供に強く芽生えてきます。
これは我が家の例ですし、我が家では長男と下の娘では親子の関係性はまったく異なったものでしたので、すべてにおいて当てはまるわけではありません。
直接的な会話も大事ですし、子供の行動パターンや性格によっても異なってきますが、一番大切なのは観察力だというのが私の実感です。
些細な雰囲気の違い、表情などを慎重に観察することが大切です。
なお、寂しさはありますが、親の言うことを聞かなかったり、無視したりするのは成長の過程として正しいことです。きちんと成長しているとその様子に感謝すらしないといけないと思います。
中学生以上になると、個人差はありますが、誰の話を一番聞くかと言えば、先輩というのが圧倒的に多いパターンです。親や先生、大人の話は聞かなくても、ちょっと大人びたかっこいい先輩の言うことは素直に聞いたりします。そういうお年頃なのです。
この特性を活かすために、教室では大学生コーチを採用しているのです。
プロの先生よりも、大学生コーチに指導してもらったほうが成績は伸びるというのが、私の長年の教育業界で培った知見のひとつです。もちろん大学生にも素質が必要ですので、採用される率はものすごく低くなります。
学ぶというのは、本人が行動しなければいけません。教えもらっても、その後に自ら行動しなければ、結果は出ません。行動させることが最大の学習効果につながります。
これは、私が言うよりも、大学生コーチが話したほうが心にストレートに刺さります。
教室ではレッスンの冒頭に私が1分間レッスンと称して、学び方や行動変革につながる話を毎週ひとつ毎回、実施していますが、実を言うと、大学生コーチにこそ私の話が届いて欲しいと思って実施しています。全員賢い大学生コーチばかりですので、私の1分間レッスンをかみ砕いて、その週に限らず、伝えてくれているという場面をよく目にします。
ご家庭では中学生以上の子供と接する時は観察を心がけて下さい。干渉は無理にしないことです。親の言うことは聞かないし、聞き流すと思ってよいと思います。
そしてもし観察した結果、気になることがあれば遠慮なく連絡をください。保護者、私、事務スタッフ、大学生コーチが協力しあって子供に寄り添っていけば、鬼に金棒です。