文部科学省では、全国の子供たちの学力状況を把握する「全国学力・学習状況調査」を平成19年度から実施しています。第1回目の実施の際、私はこの調査の東日本の運営の実施を担当していました。日本を西と東でわけて、東側の運営の全ての最終責任を担っていましたので、今思い返してもプレッシャーはものすごいものでした。事件やミスは0件を求められていました。初めての実施ですし、並行して当時の本業の学校向けデジタルシステム、コンテンツの開発は動かさないといけなかったので、大変な気持ちで当日をむかえました。
案の定、当日は東京のある中学から問題用紙が1部足りないという連絡がはいり、予備として保管していた鍵付きのジュラルミンケースに入っていた問題を取り出し、自ら届けるということをしたのが今でも思い出されます。
裏側で何がなされているかは全て極秘でしたので、担当者の人数も最小限というか、この人数で東日本を網羅するのかと恐ろしい気持ちになったものです。
先日、共通テストが実施されました。
・想定外のことは必ず起きる
・でも受験生全員は同じ条件なので落ち着くことが大切
・試験会場で友達と遭遇しても試験結果については話をしない
・1日目が終わった時には自己採点はせず、2日目の準備をする
・2回目の実施で難易度が上昇する可能性があるが、その時はみんな一緒
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いろいろな話をして高3の受験生を送り出しました。
1日目には東大の会場で高校2年生による傷害事件が発生しました。1日目の夜には津波警報が出されました。結果的に津波とは発生のメカニズムとは違うものでしたが、気持ちを乱す事柄が立て続けに発生しました。
ピンチはチャンスだ。
こういう言葉を何度か教室で話してきています。
ピンチが発生してもそれをエネルギーに転換して、普段以上の成果を出してほしいと願っています。
これから受験生の挑戦が次々と続いていきます。
共通テストは5教科7科目。2日間の試験に今年は全国の志願者は約53万人。中学受験や高校受験とは次元の異なる勝負が全国で繰り広げられました。
中学受験や高校受験は通過点です。
特に高校受験をした中3生は、大学受験を意識した行動は高校受験の翌日から持たねば3年後には後悔しか残りません。総合型選抜の定員が増えているので、早ければ高2の9月には試験が開始されますので、実際はもうすでに3年を切っています。
高校受験の場合、通学経路、お住まいの場所によって教室に高校生になっても通えるご家庭は限られてきますので、受験の結果も大事ですが、受験終了直後に次ぎに向けた意識や行動を作ることができるかが、子供たちの一生に何らかの影響を及ぼしていきます。受験直後に心を動かせるかが私の大事なミッションのひとつです。こんな気持ちでこれから受験生には接していきます。