「子は親の鏡」という言葉があります。
やさしそうで難しいことです。
子供は身近な大人のしぐさや立ち居振る舞いをとてもよく観察しながら成長していきます。特に自分の親のことはとてもよく見ています。
学ぶということは何も知識や学び方だけではなく、価値観や行動、考え方にも及びます。教室でも子供を観察しているとご家庭での様子が垣間見えてくることがよくあります。
ドロシー・ローノルトさんという方がいます。
有名な著書として
子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫)
があります。
この著書の冒頭に詩「子は親の鏡」というものがあります。
「けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる」にはじまるこの詩をぜひ読んで欲しいと思います。
下記のamazonのページで「けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる」の他の全ての文が掲載されていますので、ぜひご覧になってください。
ドロシーさんは2005年5月に来日され杉並区の小学校を訪問されたのですが、子供たちへの接し方がとてもあたたかい方でした。残念ながらこの年の11月に81歳で亡くなられましたが、今でも多くの著書は読まれ続けています。
「子は親の鏡」という詩は様々な気づきを与えてくれます。
私がはじめてこの詩に触れた時、まず親が変わることの大切さを感じました。
大人と子供では、学び方が年齢や大人度合いによっても異なりますが、子供には言葉で伝えるよりも、目の前でやって見せることが大切だということが言えます。例えば、挨拶。おはようございます、ありがとう、行ってきます、ただいま、おやすみなさい。子供が家の中で元気に必ず毎日言わなければよくない挨拶も最初は親がくり返し見せることで学ぶものです。だからこそ、朝はまず保護者の皆さんから「おはよう」と元気よく、子供のほうを見て話して欲しいと思います。子供のほうを見て、目を見て、笑顔でお願いします。正しい生活習慣も親がまず見せて下さい。
くり返し、くり返し、親が正しいお手本、作法を見せることで、やがて子供は学び、身につけていくことができるようになります。根気の必要な親としての大切な役割です。
子供に挨拶をきちんとするようになってほしいと思ったら、「挨拶は?」「どうして挨拶できないの?」と言葉でうながすよりも、親がまず家族をはじめ周囲の人に挨拶をする姿を見せることが学びにつながります。ぜひいろいろなステキな姿を子供に見せてください。