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結果ではなく、キモチを見つめる

子供はとんでもないことをします。
結果だけみていると、こら~と怒りたくなる時があります。怒るのは簡単です。でも感情にまかせて怒るのではなく、叱ることを心がけましょう。一呼吸我慢して、冷静になってから、さとしましょう。
私の娘が本当に幼い頃で、今でも思い出す出来事があります。
ある日曜日、二人でお留守番をしていました。
ちょっと目を離した時に、気づいたら白い壁に落書きをしていました。おそろしいことに大人の両手を広げたくらいのスペースにいろいろな色を使ってクレヨンで落書きをしていました。私は思わず、ものすごく怒鳴りました。娘はものすごく泣きました。賃貸の家ですので、一大事です。あわててホームセンターへ行き、落書きを消す道具を買いました。家に戻ってきてから、消そうとした時にはもう怒りはおさまっていました。娘はずっとしょげていました。消そうとした時に、どこから消そうかと落書きを眺めた時に、しばしじっと見つめて、ちょっとびっくりしました。
私には到底書けない落書きでした。
ふ~ん、上手じゃないかと思ったのは今でも覚えています。当時は教育分野では私は本当に初心者という時期でした。今なら断言できますが、あの落書きは好奇心、集中力、創造力の詰まった立派な「作品」でした。落書きの結果ではなく、途中から結果に至るまでのキモチを見つめることが大切です。
1時間ぐらいほったらかしにしていたので、きっとニコニコしながら、落書きをしたのでしょう。
怒鳴って、わかいそうなことをしました。教育を仕事とする者としては本当に未熟でした。 今だったら、こう言ったでしょう。
「すごいじゃないか。すばらしい絵が描けたね」
一生懸命にまず褒めたでしょう。とことん褒めた後、「今度は白い大きな紙に描こうね。ここは借りているおうちだから、壁に描くとみんな困るんだ」とゆっくりと教えたでしょう。
まずがんばったことを認める。その後で、いけないことはきちんと伝える。怒るのではなく、叱る。 親子の信頼関係があれば、こうすれば幼い子供でも理解することができるはずです。あの時は本当にかわいそうなことをしました。幸い、何とか私の奥様が帰宅するまでに白い壁の落書きはあまりわからないようにできました。今も知られていない話です。もし今だったら、iPhoneでピッと写真を撮ってあの作品を記録に残していたことでしょう。思い起こす度に、写真を撮らなかったことが残念でなりません。あの日の出来事の記憶が私の心に残っていたからでしょう。娘が高校1年になった時、デザインの道に進みたいと相談され、本気だとわかった後は徹底的に支援し、挑戦させました。
今、娘は美大を卒業し、勤務先で毎日何かを生み出す仕事をしています。