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小4~高3のご家庭へのお話をしています。

学問以外の才能の伸ばし方

娘が美大生だったからということで、美大生を育てたお父さんとしての意見や話を聞かれることがあります。これはこれで、困ったものです。私は美の世界とは元々はとてつもなく縁遠いのです。
先日も小1のお子さんがいる仕事関係で知り合ったお父さんから絵を見せられていろいろと聞かれました。お子さんが描いた絵を見て、お父さんとしては才能があるのではないかと思ったので近所のお絵かき教室に行かせようかと思案していると言われていました。話を聞いていると将来、美大とかもいいのではと思っているとのことでした。小1で大学のことまで思いを巡らしているというのがまずすごいと思いましたが、よくよく聞いてみると、持ってこられた絵は確かに上手でしたが、偶然描けた様子でした。絵というのは美大生をいろいろ見た結果として、厳しいデッサンの修行を徹底的にしているかどうかで大きな差があるなと実感しています。
例えば、ピカソの絵画。ピカソは死にものぐるいのデッサンをしています。これを経て、ピカソの絵画はできています。
と、これは美大の先生から教わったのですが、ピカソの何気なく見える一本の線は、誰にも描けそうで、実は絶対に描けない線なのだそうです。徹底的に型を学び、修行し、基礎基本を自分のものにしてからが本当の創作が可能になります。才能があるかどうかは、日常生活でつぶさに様子を観察できる人でなければなかなか見つけることができません。例えば自分の子供に、ある分野で才能があるという勘が働いたのであれば、それを学べる専門の場に行くことがよいと思います。年齢や本気度合いにもよりますが、楽しく時間を過ごすという趣旨の場であれば、場合によってはお勧めできません。遊びの延長で行かせるというつもりであればいいのかもしれませんが、どれだけプロ意識のある指導者なのか、どれだけ基礎基本から徹底的に鍛えてくれるかを見極めることが大切です。
クリエイティブとかスポーツの世界こそ、基礎基本が一番大切です。
基礎基本の型を体に植えつけ、悩み苦しんだ後、本当の個性が生まれる・・・と私は思います。個性が先に来るのではないのです。