子供にいくら注意しても言うことを聞いてくれませんということは、よく相談を受けます。
「言うことを聞かない子供」というレッテルを貼ってしまうのだけはやめて下さいというのが、まず大事なポイントです。
言うことを聞かない子供は、見方を変えると子供が聞く状態になっていない時に話をしているということのほうがとても多いものです。子供にも子供なりの理由があると思って下さい。子供なりの今は聞けない理由があるのに、保護者の皆さんが厳しい態度で話をしてしまう、だんだんと言葉もきつくなる・・・こういう形になるのが一番よくありません。
子供との話は言葉のキャッチボールの状態にしないといけません。
でも子供が心ここにあらずということでよそ見をしている。こういう状態で話をしても言葉のキャッチボールにはなっておらず、ボールは届かなかったり、まったく別の方向へ投げていたりという状態になっているので、「言うことを聞かない子供」という見方をしてしまい、小さな子供に対する見方が、そのうち大きなレッテルになったりします。
少なくとも子供の表情を見て、お互いににこやかな状態を確認し合うような形でのコミュニケーションをするようにしてみて下さい。
大昔に先生方に見せるために、小学校や中学校のパソコン教室で授業をするということをしたことがありました。
私から見て縦に並べられた机の上にパソコンの画面が並んでいるというレイアウトばかりでしたので、私が前方に立つと、生徒はパソコンの画面を見る形で座っています。私から見るとみんなの横顔が見られるという状態です。私は大事な話をする時には、椅子をパソコンのほうではなく、椅子を私のほうに向きを変え座って下さいと大号令を発します。これでみんなの表情が正面から見られます。表情を見ながら話をしなければ伝わらないのです。
高校を訪問するということを9月と10月は頻繁にしています。授業を見学してもよいということになった場合は、教室の一番前方の入り口のそばに立って、廊下から見させていただきます。教室に入って、後ろから見てよいですよと言われても、あえて前から見させていただきます。生徒の表情が見たいからです。
うまく言っている授業、生徒の心を掌握している先生の場合は、ちらっと廊下の前方から見ていても、生徒の表情が違います。後ろから見ていると生徒の表情がわからないので、いい授業なのか、先生と生徒の関係性はどうなのかというのがよくわかりません。
ご家庭では子供の表情を見て、言葉のキャッチボールをぜひお願いします。投げっぱなしにならないように、ぜひ笑顔で言葉のキャッチボールができるタイミングを選んで下さい。