私の子供たちが小中学生の頃、親としての私の口癖が「ちゃんとしなさい」でした。今だったら、こんなことを言わないと思います。この言葉は使ってはいけない言葉だからです。
「ちゃんと」の中身が私と子供たちではまったく違っていました。いつまでたっても私から見ると、「ちゃんと」していないということになります。
「ちゃんと」の中身を、どう具体的な行動をうながす形で伝えることができるかが大事です。
例えば「片付けなさい」という言葉。
「うちの子は何度片付けなさいと言っても片付けができないんです」という相談を受けることがあるのですが、かなりの割合で、保護者の皆さんの「片付ける」という動作と子供の「片付ける」という動作はまったく違っているということがあります。幼い意識の子供の場合だと、保護者の皆さんが「片付けなさい」と言われた時、実は既に片付けているという状態になっていると子供の側は思っていることが多いのです。
片付けるとは、散らばっているものを集め、それを元にあった場所に戻すということですが、子供によっては元にあった場所に戻すということは片付けに含まれていないというこことがあります。片付ける場所はその都度、気分で決めたりしていることのほうがとても多いのです。
家の中で使う言葉はぜひ具体的な行動を伝えるということを心がけて下さい。