毎年恒例の出来事があります。
それは、模試でもまったく点が取れず、普段の問題演習や過去問演習でも得点できなかったのに、受験の直前になって突如、本番の入試で必要な合格最低点を突破できるようになる受験生が生まれることです。
本人もご家族にとっても奇跡を起こしたという気持ちを持たれるようです。
それまでは本当に苦しんでいたのに、うそのように入試の後に「なんかわからないけれど解けました」という言葉を聞くことがあります。こういう受験生はふり返ると試験の1ヶ月前ぐらい前に試験に出る範囲をすべて学び終わったという一致した状況があります。今までは単元別、テーマ別に学んでいたのが、ひととおり終わり、それぞれの学んだ部品が絡み合って、相乗効果が生まれる時間が取れたからだと思います。同じ教科の中だけでの相乗効果ではなく、試験科目がすべて複雑に合体され、本人が全体を見渡しながら、学んだことを強化する時間が取れたのがひとつの理由です。今日はこれをしよう、明日はこれだという意識で学んでいたのが、一旦、全範囲が終わったので学びの地図とでもいうものが自分の頭の中にでき、その地図の場所を全体を意識しながら色濃くしていくということが可能になったからだと様子を見ていて思います。但し、奇跡を起こせるには条件があります。
例えば中3生は教室では、12月いっぱいで学校の授業範囲が終了する教材を使っていますが、習っていないからわかるわけがないという意識でいる場合は冒頭でお話した奇跡は起こりません。
病は気からという言葉があります。
病気は気持ちしだいで、よくもなれば、悪くもなるという意味ですが、勉強、受験もこの言葉が成り立ちます。
成績も受験もまずは気持ちです。気持ちの持ち方です。