12月15日から東京都の中学校の先生が高校に出むく儀式があります。
生徒の中の推薦、併願優遇希望者の成績基準がその高校の基準に達しているかを確認してもらう「事前相談」という場です。この時の生徒一覧リストに名前がない場合は推薦や併願優遇での受験ができなくなります。
リストに名前と成績を記載してもらい、中学校内でのチェック、承認作業に載せないといけないため、これに要する時間を考えるとどんなに遅くとも12月14日の午前中に中学校の担任の先生に伝わっていないとアウトになります。中学校の締切がもっと早い場合もありますし、コロナ禍で先生が高校に行かずに郵送で実施される仕組みにしている高校もありますので、まだ中学校への伝え方があやふやになっている場合はすみやかに動いて下さい。
東京都の中3生が埼玉県の私立高校に推薦、併願優遇で受ける場合は東京都の先生が出向くことは許されていませんので、本人と保護者が高校へ行き個別相談をすることが必須です。埼玉県の中3生は中学校の先生が東京と埼玉の私立高校との交渉にはまったく関わることができない仕組みのため、同じように本人と保護者が高校に行き個別相談が必要になります。
ご家庭の経済的な理由から私立はあり得ないという場合を除いて、都立・県立以外に私立高校を受けることを考えていただきたいと考えています。
都立・県立が第一志望でも私立を受験することにはメリットがたくさんあります。
大きなメリットを紹介します。
ひとつ目は、練習ができることです。都立・県立の入試の前の予行演習になります。本番では独特の雰囲気を感じることがあります。一度、本番を経験しておくのはとてもよいことです。
ふたつ目は、合格している高校があることで、本番で安心感から心のゆとりがうまれることです。
みっつ目は、成功体験を持つことができることです。
併願優遇は不合格にならないですかという質問を毎年受けますが、基本的に落とされることは余程のことがない限りありません。親子で意見が一致していなくて、行きたくない私立を受験させられ、白紙答案を出したとか、面接で会話が成り立たないということがあれば、不合格になったということは起こりますが、基本的に合格します。
但し、併願優遇でも合格を約束されないことはあります。教室で毎年、受験生がいる私立錦城高校がそうです。併願優遇の基準を満たしていても、当日の入試にプラス30点を加算する優遇にしかなりますせん。30点は大きな数字なので大抵は合格しますが、基礎応用の一定学力があることが大前提です。そして、過去問対策は念入りにしないといけませんし、真剣にやらなければ合格は約束できません。
このほかにも条件付きで推薦や併願優遇の入試になる場合があります。たとえは、「優遇はしますが、入試当日、3科目合計で最低120点以上はとってください」などと言われる場合があります。最低点数を超えていないと合格はできない仕組みです。
このほかに専願入試という私立高校の入試もあります。推薦入試の基準には到達できていないけれど、第一志望で受験し、合格したら必ず入学しますという条件付きで受験する場合で私立錦城高校はこの方式もとっていて、プラス20点が加算されます。
都立高校は普通科の男女別募集の廃止に向けて定員の8割までは男女別々で合格者を決めますが、残り2割は男女合わせて成績順に合格者を決める形を今回の入試では実施します。この影響は都立高校の普通科以外も含めて大きな影響が出ると思います。偏差値で言うと55以下の都立高校は結果が想定外のことが、合格、不合格含めて発生するのではないかと心配しています。例年の高校入試とは違うということだけは認識していただきたいと思います。