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都立高校の校長会調査

1月6日に予定外の臨時更新をして都立高校の校長会調査について東京都教育委員会のページを紹介する形で速報をお知らせしました。
翌日に東京の中3生で冬期特訓参加者には細かな資料をお渡ししていますが、今日は知っておいてほしいことを紹介します。
●校長会調査とは?
東京都教育委員会のホームページでデータが確認できますが、東京都中学校長会から発表される「都立高校志望予定調査」です。
これは12月の三者面談実施後に12月中旬時点で生徒が提出する第一志望校の高校名を各公立中学校で集計したものです。今年の東京都内の公立中学生が、実際にどの高校を志望しているかがわかる最初の指標です。三者面談実施後ですので、ある程度の決意のもとに記入しています。
●都立全日制高校の第1志望者の割合は63.5%

5年前は70%弱でしたので、少しずつ私立志願者が増えてきていると言えます。この他に通信制高校の割合が増加傾向です。


進学指導重点校が219名の減少
男子は161名減、女子は58名減です。特別推進校は95名の増、推進校が79名の減です。


●高倍率の高校の顔ぶれ


普通科男子
1 石神井 2.06
2 豊島 2.02
3 調布南 2.01
4 江北 1.99
5 狛江 1.98


普通科女子
1 鷺宮 2.55
2 昭和 2.34
3 神代 2.26
4 広尾 2.33
5 小岩 2.15

 

詳しくは都教委の高校別の一覧をじっと眺めてほしいのですが、普通科志望の男子は同じ高校の女子の倍率を注意してみる必要があります。定員の80%までは男女別々に合格者を決めますが、残りの20%は男女を合わせて総合得点順に並べて合格者を出しますので、内申の観点から女子の倍率が高い場合は残り20%を全て女子が取ってしまう可能性があります。倍率が低かったのに、実際は男子の定員を女子にもっていかれて、男子の倍率は終わってみると高くなっているということがかなり起きます。
今回は私立高校第一志望の数字は含まれていないので、特に上位校においては、実際の出願の際には倍率が上昇するということがあります。
昨年の例で確認します。
日比谷・男子 志望1.64→実際2.50
豊多摩・男子 志望1.77→実際2.05
井草・女子 志望2.08→実際2.36
実際の応募者が減るという高校もありますが、このあたりの情報は東京の中3受験生には資料で配付しましたので、確認してください。

なお、倍率が低い→よかったという安易な気持ちは持って欲しくないと思います。本来、倍率は適正な倍率でなければ、その高校にふさわしい生徒が入学してこないということにつながります。特に偏差値でいうと高い高校なのに、今回、倍率が低いところがあったりします。こういう場合、このままだと3年後の大学入試に影響が出ます。低倍率は望ましいことではありません。偏差値が高いのに受験生が集まっていない場合、様々な理由と偶然の産物の結果ですが、周辺に存在する塾はその高校にふさわしい中3生を向かわせて健全な受験にしようという思惑が働きます。志の高い塾長のいる教室はそういうものです。私の知り合いの他社の塾長は全員、既に動かれています。
したがって、倍率が低いから安心ではありません。3年後を見据えて考える必要があります。
むしろ倍率が低いので、上位で入学しようという気持ちを奮い立たせ、上位10%に何としても入るという心意気を持ってほしいと思います。大学受験では第一志望大学・学部・学科の指定校推薦枠があった場合のみ、挑戦せよ!という指導を教室ではしますが、そのためにも最低限上位10%に入った状態で入学することはとても大事なことです。
自分にふさわしい高校、自分の母校としたい高校を今一度考える資料ですので、校長会調査の結果は真剣に見つめて欲しいと思います。