子供が幼い頃、親が「ああしなさい、こうしなさい」という形で育てすぎていると小学生高学年からは要注意になる場合があります。子供の教育に熱心な接し方なのですが、どうしても先回りして子供を誘導するということにつながってしまい、教室でめざしている自学自習を極める方向にブレーキがかかります。
ほったらかしではありませんが、じっと見守る姿勢を貫いてきている家庭で育っていると、自分で考えて行動するという癖とでもいうものができていることが多いため、考えて行動する、工夫するということが自然にできているように思います。
小学生の間までは、親の管理は見た目は効果を発揮しているように見えます。テストの範囲がある程度わかるため、徹底した管理でいつもよい点数が取れることにつながります。ところが、中学にあがると範囲が広すぎたり、やがて模擬試験のように範囲がなくなると言ってよいテストにかわるため、保護者の管理だけではどうにもならなくなっていきます。それまで一から十までこうしろ、ああしろとなっていると余計に自分で考えて行動するということができないため、結果的に点がとりにくくなります。
成績が悪すぎてという理由で教室に入ってくる子供たちの中で数ヶ月で一気に伸びていくケースがありますが、大抵、言い方は悪いですが、野放しにされていた子供たちです。今まで自由に遊んで、やりたいことを思いっきりしてきたので、学ぶ事が他人事から自分事になり、学び方の極意がわかってくると、言われたことではなく、自分で工夫をしてアレンジをしようとするという方向につながり、一気に優等生を追い抜いていったりが起きます。
こういう子供の保護者の方は基本的に手取り足取りではなく、じっと見守るという姿勢のことが多いように思います。失敗するとわかっていても、やらせてみるということもあるようです。失敗した時に、一緒にどうしたらよかったのだろうと考えているということも一致しています。
結局、自分でなんとかしようとする気質をそだてようという意図のある環境の中で育った子供は見ていても、とても安心です。