コロナが去ったという空気感が浸透してきたからですが、高校を中心に海外留学のチャンスが増えてきています。今年はコーチの中にも大学での選抜を経て、カナダへ1ヶ月間の短期留学をしている者もいます。私が今の教室にきて5年目になりますが、コロナが始まる前の1年間は高校生が海外へ行くのはごく普通の光景でした。
但し、期間の長さの長短はあれど、留学で語学を磨きたいという相談を受けた場合は一貫して反対します。お金をかけて、海外に行って、語学を学ぶというのはあまりオススメしません。もちろん語学力を磨くことはできますが、語学力を磨く方法はもっとたくさんあります。
海外に行って身につけてほしいのは、まず自信です。高校、大学の中には過保護すぎる体制を組んで、失敗しないようにしようとする場合がありますが、ぜひ海外で未知の体験をして、いっぱい失敗をして欲しいと思います。
もちろん安全面の体制は大前提です。
経験したことのない世界の中で自らの意志で一歩を踏みだし、悩み、葛藤し、笑顔の瞬間を体験することで、自信がつきます。最初は不安でいっぱいだと思います。でもそれを自分だけの力で乗り越える。こういう経験は何者にもかえがたい経験です。
海外留学に限りません。
未知の世界にふれ、悩み、何かをつかみ取る経験をたくさんして欲しいと思います。
なお、短期間でも海外へ行きたい、こういう留学制度があるという相談を子供から受けた場合、そこに費やすお金の価値、普段の感謝の気持ち、謙虚さ、そして教室で大事にしている「誠実さ」を子供本人がわかっていない場合は簡単に認めないで欲しいと思います。行かせてよかったとなるのは、行くべき人としての器、土台、姿勢がある程度できている場合だけだからです。そうでなければ、遊び、観光旅行になってしまいます。学ぶ気持ちで行くと大小の差はありますが、何かしら困難と立ち向かうことになります。意味のある経験をしてくることができるかが大事ですので、繰り返しますが、行くべき人としての器、土台、姿勢がある程度できているかはよく考えて下さい。